哲学の価値
哲学とは、思考の軸
数学の公式は便利なものです。公式を正しく使えば正解までの道筋を大幅にショートカットできます。もっとも学校の数学の問題は、公式を使うことが前提にはなっているのでしょうけども。
人が生きていくうえで哲学は不可欠です。なぜなら正解が分からない時のよりどころになるのが哲学だからです。人生の壁を打ち砕くハンマーは哲学という形で存在し、ショートカットを可能にしてくれます。
しかし学は答えをだす学問ではなく、答えの出ない問題に取り組みながら生きて行く姿勢そのものです。楽をして生きるためのツールではありません。
迷いと答え
生きていて困るのは、やはり良い答えが見つからないということでしょう。それは言い換えると迷うということであり、人生の行き詰まりでもあります。答えがなければ生きていけないというのは恐ろしいことで、哲学はそんな恐ろしさから人間を救ってくれます。
05 ペルソナ
仮面は心のカベ、ATフィールド。
パーソナリティ、ペルソナ
仮面という妥協
素顔を隠して社会に向き合うことは、自分と他者を傷つけないための配慮です。
エチケットの仮面
社会的で社交的な生活を送るにはペルソナという仮面は不可欠でしょう。単純に言い換えると大人として振る舞うということですが、逆に子供っぽく自由気ままに行動してははた迷惑な人間として敬遠されてしまいます。TPOに合わせた仮面をつけることは身だしなみや礼儀と同じく社会的に要求されるものです。
仮面をはずす
社交的である必要がないならば、ペルソナという仮面は必要ありません。TPOなど無視できる環境なら、積極的に素顔を晒すのが人として自然でしょう。
とれない仮面
仮面は人に安心感を与えてくれますが、次第に素顔を晒すことは恐ろしくなり、ついには仮面が自分の素顔を思い込むことになるかもしれません。仮面と素顔の境界線は常に曖昧です。
現実と妄想
仮面になれるということは、幻想の世界に引きこもることでもあります。自分自身の本来の姿が現実だとしたら、仮面をつけた自分は幻想の自分です。しかし周囲の人たちは仮面のあなたを現実のあなただと思って接していますから、仮面をつけたあなたはいつしか仮面をつけた自分こそが現実の自分だと思い込むようになるでしょう。その時、仮面の下の素顔のあなたのほうが幻想へと追放されることになります。
06 自由からの逃走
孤独と責任
孤独と責任が、自由である人について回ります。このため自由を手に入れた人が自由をを捨てる決断をすることがあるようです。
自由に疲れ
ヒトラーのナチズムを中心的に支持したのは、自由に疲れた人たちでした。商店主や職人、ホワイトカラー労働者たちで、下層及び中産階級の人たちです。
依存と従属
自らが権威でありたいと願う人たちは、逆に権威に弱いという側面があります。権威に従属しやすく、また従属させたがるという意味です。
自我と教養
自由という孤独に耐えるには、強い自我が必要です。また、自由という責任に耐えるにも、高い教養が必要になります。自我と教養が、自由を受け入れるために求められます。
07 報酬
人は不確実なものにこそハマる。
報酬と「ハマる」
確率変動
不確実に与える報酬が、人にもっとも強い動機付けになります。意外にも、確実に手に入る報酬ではむしろ人のやる気は低下するので、決まった給料や報酬ではモチベーションが下がってしまいます。
意外性と刺激
予測通りではつまらないし、逆に予測を裏切ると面白いと感じるものです。予測不能という要素が、何よりも人を引き付けます。
08 アンガージュマン
英語で言うところの、engagement。自己責任をもって関わる、といった意味です。
自由の刑に処す
自由は憧れの対象であると同時に、恐怖の対象でもあります。自由である場合は、自分の身に何が起ころうとも自己責任になります。
自由を差し出せ
自由を差し出せば助けてもらえるという社会構造が普通でしょう。家庭がそうであり会社がそうであり、また地域社会のルールもそれにあたり、さらには県の条例や国の法律もそれに当たります。自分の自由の一部、時には全部を差し出すことで、親や職場、地域社会や国から援助を受けることができるのです。
さもなくば
差し出すはずの自由をわが物とするとき、その人は他者からの利便や保護を失います。自由と保護は引き換えになっています。
自由とは、ありのままの自分
自由と保護が天秤にかけられているということは、自分らしさと生存することを天秤にかけているということです。保護を必要としない人ほど自由を得ることができますが、それでも全くの自由、まったくの保護なしとはいかないのが昔からの社会でしょう。切り捨てる自分らしさを最小限にとどめる努力と、切り捨てる時の覚悟というか、割り切りが大切だと思われます。
自分の中に取り込む
アンガージュマンとは、自分以外のことを自分事として取り込むことです。自分だけを都合よく外界から切り離して無責任を決め込むのは卑怯な姿勢で、これに対してアンガージュマンは都合の悪いコトであっても自分が主体となって自分事として対応することです。それは言われたことを言われるままに行うのとは違い、自己責任でもって取り扱うということです。
社会彫刻
社会は一人ひとりが作る作品であり全員が製作者である、という意味で、社会彫刻という言葉をつかう芸術家がいるそうです。社会は市民の共同作品ということです。
09 悪の陳腐さ
思考停止した凡人は、悪になりうる。
アドルフ・アイヒマン
- ナチスドイツによるユダヤ人虐殺計画で主導的な役割を果たした人物。
- 戦後、逃亡生活を送っていたが1960年につかまり、イスラエルで裁判にかけられて処刑される。
普通の人
アイヒマンは小柄で気の弱そうな人間だったそうで、彼をアルゼンチンで捕まえたイスラエルの秘密警察官は想像と全く違う風貌に驚いたと言います。
悪は特別ではない
実際の悪はありふれていてつまらない、と哲学者のハンナ・アレントは言います。悪自体がつまらないのではなく、悪を行う人間の思考と選択がつまらないということで、特別ではないということです。言い換えると、フツウの人が悪いことしているということはつまらないほどありふれているのです。
システムが悪を生む
社会の制度や組織の構造が悪を生むということです。もちろん個人で悪を働く人もいるでしょうが、それは思考や状況が特別な場合でしょう。ここでいう悪は、集団でおこなう悪であり、悪ではないという認識を広めながら行われる悪を指します。個人が悪であることは、むしろ珍しいことです。
システムを批判せよ
集団で行うことが正しいわけではありません。正義が賛成する人数の多さで保証されることはありません。システムの支持者の多少にかかわらす、良いものと悪いものを各個人が判定しなくてはなりません。みんなが良いというなら良いのだろうというのは思考停止に過ぎず、さらに言えばその思考停止こそが悪を生産するシステムを稼働させる大きな助けになっているのです。
個人の生き方、2通り
- システムに従って生きる
- システムを改善するために生きる
新たなシステムを作るという選択肢は、どちらかというと上記でいう2にあたります。さらに言うと、システムを受けいれるか、受け入れないかの二択だとも言えます。
当然、個人が思考停止に陥れば1の生き方になります。しかしそれ以外の生き方をする条件としては、自分で学び考え、自己責任でリスクを負って行動することが挙げられます。これはハードルの高い生き方とも言えるでしょうから、多くの人が1の生き方に落ち着くのは無理からぬことでしょう。
悪に加担しないために
思考停止して現行のシステムを無批判に受け入れることは悪に加担することにつながるということです。今のシステムで本当に良いのか、もっと良いシステムに変更すべきではないか、さらに、自分がシステムの改善のために何ができるか学びながら考えることは各個人の社会的な責務と言えます。
10 自己実現的人間
マズローの欲求五段階説
マズローはアメリカの心理学者です。人間の欲求には以下の五段階があると言います。
- 生理
- 安全
- 社会、愛
- 承認
- 自己実現
これはおおざっぱで俗説の域を出ず、科学的な説明はできていませんが、それでも多くの人に理解しやすいものです。であるとすると、この説をプラグマティックに活用して、人間のあり様を理解するためのツールとして使うのが良いでしょう。
欲求の頂点、自己実現
自己実現を成し遂げることは、最高の欲求をみたすということで、つまり幸福になるということです。
自己実現
- 1 《self-realization》
- 自己が本来もっている真の絶対的な自我を完全に実現すること。
- 普遍的、絶対的自我の実現が究極の目的であり、それに導く行為が正しい行為だとする
- T=H=グリーンやブラッドリーなどの倫理説。
- グリーンは、これが人生の究極目的であるとした。
- 自我実現。
- 2 転じて、自分の目的、理想の実現に向けて努力し、成し遂げること。
- 「—を夢見る」
自己実現、15の特徴
- 自己と現実が快適な関係
- すべてを受容
- 自然体
- 普遍的な価値観
- 孤独
- 内的動機で思考し行動する
- 認識が新鮮
- 至高の体験を持つ
- 人類に貢献する
- 少数の人と深い対人関係にある
- 無差別
- 倫理
- 哲学的ユーモア
- 天真爛漫
- 自律
天真爛漫
- 飾ったり気どったりせず、ありのままであること。
- 無邪気で、ほほえましくなるようなさま。
- 「子供のように—な人」
11 認知的不協和
認知的不協和の理論は、アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーが唱える理論です。
無意識に正当化
ヒトは自分の行動が間違っていたかもしれないと不安になると、半ば無意識に自分の行動を正当化します。
ギブミーチョコレート
戦後直後の日本人の子供が米兵から食べ物をもらうという場面が多くあったと聞きます。当時で考えれば最近まで戦争していた相手から食べ物を恵んでもらうというのは納得のいかない行動だったでしょう。
しかし一度何かを受け取ってしまえば米兵に対する負の感情との間に矛盾が生じます。これが認知的不協和と呼ばれる一種の精神的ストレスで、人はこの認知的不協和を抱えたままで生きて行くことに大きな苦痛を感じます。
しかし認知とは自分の考え方なので自分の意志で変更が可能です。自分がすでに行った行動との間に矛盾が生じた場合、自分の思考を変更することで認知を変えて、自分の行動を正当します。これにより認知的不協和が解消されて精神的な安定が得られます。
つまり米兵の懐柔策に多くの日本人はまんまとしてやられたということになります。
懐柔と便益
反対論を唱える人に対して真向から反論し返すよりも、もっと良い方法があります。要は懐柔策であり、反対論者が反対の対象としているものから便益を与えることです。
小さな便益、大きなワナ
反対論者は大きな便益を拒みます。それは自説を曲げることが怖いからですが、逆に小さな便益であれば受容する可能性があります。
無視できる程度の便益であれば突っぱねるのも大人げないと感じるからですが、これが大きなワナになります。どんな些細な便益であっても反対する体制側から受け取ってしまえば言い訳はできません。
懐柔する側からすれば、最初の一手が相手に通ってしまえばしめたものです。あとは雪だるま式に与える便益を肥大化させて、反対者に後戻りができないと自覚させればよいだけになります。
12 権威への服従
スタンレー・ミルグラムはアメリカの社会心理学者で、その「アイヒマン実験」が有名です。
アイヒマン実験
被害者
出された問題に正解できずに電気ショックを受ける役ですが、実はサクラで、実験をされる側でなくて、実験する側の人です。電気ショックを受けたフリをします。
実行犯
電気ショックを与える係。実はこの人は真の被験者ですが、本人は騙されているため自分のことを実行犯だとは思って居らす、機械的で責任のない作業者だと思っています。
指示役
責任者のフリをした実験担当者です。血も涙もないような態度で電気ショックの指示を出し続けます。実行犯の上位者のフリをしていますが、実は真の実験担当者の手足にすぎません。
結果、65%が
多数の実行犯を相手に繰り返し実験を行った結果、実に65%の実行犯が被害者が死に至る(ように見えるところ)まで電気ショックを与え続けました。
無責任を確認するだけ
実行犯が戸惑ったとき、指示役が責任を持つことを確認すれば安心して蛮行を続けたそうです。
なんと93%まで
実験のスタイルを変更して、黙れされて実験に組み込まれる被験者の立ち位置を、電気ショックを押す係から回答の正誤を判断する係にすると、なんと93%のケースにおいて電気ショックを最大レベルまで上げる結果になりました。
被験者は以前のスタイルの実験と比べてより責任の軽い立場になっています。電気ショックを指示するわけでもないし、電気ショックのボタンを押すわけでもなく、ただ出された回答の正誤を明らかにするだけです。
自分には責任がないと思えば思うほど、人間は非道な行為に加担するということが証明された実験です。
官僚制
トップダウンの組織といえば官僚制がこれにあたり、また会社に代表される世の中の組織のほとんどがこの形式です。
上意下達の組織は思考停止と無責任をうむ温床になりえます。
上意下達
- 上位者の意見や命令を下位者に伝達すること
- 組織の管理体制
- トップダウン
- メリットは、組織の一体化、迅速な意思決定、 社内リソースの集約。
- デメリット、指示待ちの発生、改善点・課題発見の遅延、 現場の不満拡大。
ほぼ100%が、反抗する
ところがアイヒマン実験の状況設定を変更して、指示役を二人にした上で喧嘩をさせるとほぼ全員の被験者が実験から降りてしまうという結果がでました。
指示役が2人に増えて実験を続行するか中止にするかでもめている状況を見た被験者は誰もが悪行と思える実験に付き合うことはありませんでした。
小さなアシストで
どんな時でも人間の良心が消えてなくなるわけではありません。悪事から自力で抜け出せなくなったとしても、ほんの小さなアシストがあれば勇気づけられて自分の良心の従った行動ができるようになります。
ほとんどの人は悪行に流されるように加担することはあっても、きっかけさえあれば我に返って思考停止を解除し、しかるべき行動を選択できるようになります。
13 フロー
人物紹介
![](https://iwantout.blog/wp-content/uploads/2024/10/image.png)
ミハイ・チクセントミハイ
- ハンガリー出身の心理学者。
- フローの概念を提唱した。
- 「幸福」、「創造性」、「主観的な幸福状態」、「楽しみ」の研究(いわゆるポジティブ心理学)を行った。
- Mihaly Csikszentmihalyi
- 1934年9月29日 – 2021年10月20日
- カール・グスタフ・ユングの講演会を見て心理学を志す
能力を発揮するには
人間は持てるチカラを最大に発揮したとき最大の充実感を覚えます。ではどうすれば最大のチカラを引き出せるのでしょうか。
フロー、ゾーン
人がその最大の能力を発揮するには、まず十分に高いスキルをもっていることと、それを使ってはじめて達成できるレベルの挑戦課題が必要になります。
![](https://iwantout.blog/wp-content/uploads/2024/10/image-1.png)
その発動条件
フローやゾーンの一般的な発動条件や環境、さらに感覚等は以下の通りです。
- 明確な目標
- 即座のフィードバック
- 挑戦と能力の釣り合い
- 集中、行為と意識の融合
- 没頭、ソレ以外を忘れる
- 不安がない
- 我を忘れる、評価を気にしない
- 時間感覚が歪む
- 活動が自己肯定的、意味のあるなしを気にしない
無感動からフローへ
![](https://iwantout.blog/wp-content/uploads/2024/10/image-2.png)
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
スキルレベルが低い場合は不安のルートをたどり、逆にスキルレベルが高い場合はリラックスルートを通ります。さらにスキルレベルの上昇と挑戦レベルの上昇が比例するなら無感動からフローへと一直線です。
14 予告された報酬
人物紹介
![](https://iwantout.blog/wp-content/uploads/2024/10/image-3.png)
エドワード・L・デシ
- Edward L. Deci
- アメリカの心理学者
- ロチェスター大学の心理学教授
- 内発的/外発的動機づけや基本的心理欲求に関する理論によって知られている。
- リチャード・ M・ライアン(英語版)と共に、影響力の大きい現代の動機づけ理論である自己決定理論(英語版) (SDT) を編み出した。
- 自己決定理論は、人間の動機づけについてのマクロ理論で、動機づけを自動的なものとコントロールされた形態のものに区別して扱う。
- この理論は、行動の予測に応用されたり、教育、保健、労働管理、子育て、スポーツなど、多くの文脈の中における行動変容を指摘する。
動機づけ
- motivation
- モチベーション
- ある行動を引き起こし、維持させ(行動の強化機能)、結果として一定の方向に導く(行動の評価機能)心理的過程
- 人間を含めた動物の行動の原因
- 行動の方向性を定める要因と行動の程度を定める要因に分類できる。
- 動物が行動を起こしている場合、その動物には何らかの動機づけが作用していることが考えられる。
- またその動物の行動の程度が高いかどうかによってその動機づけの強さの違いが考えられる。
自己決定論(SDT)
- 内発的動機づけと外発的動機づけの分類から発展した理論。
- 人間の動機づけについてのマクロ理論
- 内発的動機づけへと至るまでの道筋を探求する理論。
- ベースは「内発的動機づけと外発的動機づけの連続性」と「3つの基本欲求」。
![](https://iwantout.blog/wp-content/uploads/2024/10/image-4.png)
マクロ
- 1 巨大であること。
- 巨視的であること。
- 「—な展望」⇔ミクロ。
- 2 パソコンで、複雑な操作の手順をあらかじめ登録しておき、必要なときに簡単に実行させる機能。
- マクロ機能。
生理的動機づけ
- 生命維持の動機。
- 飢え、睡眠、排泄など。
- 生物的動機づけ。
達成動機づけ
- 高いレベルで目標を達成しようとする動機づけ
- 人の内にある心理的要求や欲求
- 意識的か半意識的か無意識的かを問わない。
- 動機はメインの動機の周りを他の動機が取り囲んだ形の混合体である場合もある
- 人間は独力を以って高水準の目標を達成しようとする欲求があり
- 達成動機には成功願望と失敗恐怖の二つの欲求
- 流動的な周囲状況の期待感や価値観が重要
- 成功と失敗の価値及び期待も強く影響する。
- また達成行動には行動の結果の原因をどのように考えるのかにも強く影響する。
- 結果の原因としては能力、努力、問題の困難性、偶然性の四要素を考える
- 達成動機が高い人は内的要因である能力や努力に原因が帰属すると考える
- 達成動機が弱い人は外的要因である問題の困難性や偶然性に原因が帰属すると考える
内発的動機づけ
- ~したい。
- 内発的な動機づけに基づいた行動は行動そのものが目的である
- 好奇心や関心によってもたらされる動機づけ
- 賞罰に依存しない行動
- これは特に子供は知的好奇心が極めて高いために幼児期によく見られる動機づけ
- 子供は単にゲームが楽しいからという内発的な動機によりそれに熱中する
- 自分で課題を設定してそれを達成しようとする
- 自発的に思考し、問題を解決するという自律性
- 解決によってもたらされる有能感
- 動機づけとなり得る。
- 一般的に内発的動機づけに基づいた学習は、極めて効率的、しかも継続的に行うことができる。
- 挑戦的、選択的な状況を想定
- 問題解決
- 内発的動機づけを発展させる
- 感性動機づけ
- 好奇動機づけ
- 操作(活動性)動機づけ
- 認知動機づけ、などがある。
外発的動機づけ
- ~すれば、~すべき、~しないと
- 義務、賞罰、強制
- 外発的動機づけに基づいた行動は何らかの目的を達成するためのもの。
- たとえばテストで高得点を取るためにする勉強や、昇給を目指して仕事を頑張る場合などがそれにあたる。
- 強制された外発的動機づけが最も自発性が低い
- 自己の価値観や人生目標と一致している場合は自律性が高まった外発的動機づけ
- 外発的動機づけは内発的動機づけと両立しうる
- 自律性の高い外発的動機づけは内発的動機づけとほぼ同様の行動が見られる。
創造性を高める方法
「面白い、ってのは大事なことだ。」
面白い、それこそが内発的動機づけであり人を強力に動機づけ、行動へと駆り立てるものです。子供がゲームにのめりこむのは面白いからです。
逆効果、しらける。
報酬を提示して動機付けを試みるのは悪手です。特に対象者がすでに内発的動機づけをされている場合には逆効果でしょう。
メタ‐アナリシス meta-analysis
- 複数の研究結果を収集・統合・比較し、統計学的に解析すること。
- メタ分析。
- メタ解析。
15 マキャベリズム
「君主論」君主への指南書です。
人物紹介
![](https://iwantout.blog/wp-content/uploads/2024/05/image-44.png)
マキャヴェッリ
- ニッコロ・マキャヴェッリ
- イタリア語: Niccolò Machiavelli
- 生誕 1469年5月3日フィレンツェ共和国・フィレンツェ
- 死没 1527年6月21日(58歳没)フィレンツェ共和国・フィレンツェ
- イタリア・ルネサンス期の政治思想家
- フィレンツェ共和国の外交官。
- 著書に『君主論』、『ティトゥス・リウィウスの最初の十巻についての論考(ディスコルシ)』、『戦術論』がある。
- 理想主義的なルネサンス期に現実主義的な政治理論を創始した。
マキャベリズム
- 【Machiavellism】
- 目的のためには権勢ずくで手段を選ばないやり方。
- 権謀術数主義。
- マキャベリが「君主論」の中で述べた政治思想。
- 15〜16世紀のイタリアを背景に、君主の現実主義的な統治を主張した。
道徳<合理
優先順位として、1に合理、2に道徳、ということです。なにも道徳を軽視しましょうというわけではありません。
国家の危機においては
リーダーに求められるのは国や国民を守ることで、道徳を守ることではありません。特に危機的状況においてはリーダーが何を守るのかが第一に問われます。
状況に応じて変化する
平和な時と危機的状況では、リーダーに求められることは異なります。今は良いリーダーだと評価されている人も状況が変化すれば良くないリーダーだと言われる可能性があります。
16 悪魔の代弁者
集団による意志決定
集団による意思決定の品質を高めるには、どうするべきでしょうか。
高い知性<多様性
- 知的水準が高いだけではダメ。
- 議会中の同質性が高いと、結論の品質が下がる。
- 多様な意見が必要。
- 認知的不協和、釈然としないことが議論を高める。
- 意見がバラバラであれば問題解決能力のポテンシャルは高い。
議論する時は
- 上下関係はない
- 専門家が優位ではない
- いろんな人の多面的な考察
- 長い時間をかける
- 提案は複数
- グループごとに提出
意見が出たら
- 自分の意見を他人の反論にさらす
- 反論、反証の自由を与える。
- 提案のすべてに弱点を指摘。
- 反対意見に耳を貸す。
- 自分で誤っている部分をただす。
高品質の結論とは
- 反対意見を制限せずに生き残った意見。
- 長く厳しいサバイバルを生き残った意見。
- 多面的に反対意見にくじけなかった意見。
低品質な結論とは
- 反論が抑え込まれた意見
- 保護された意見
17 ゲマインシャフトとゲゼルシャフト
以下文中ではタイトルにでてくる単語は無視して、ゲマインシャフトを共同体、ゲゼルシャフトを企業とします。
![](https://iwantout.blog/wp-content/uploads/2024/10/image-5.png)
フェルディナント・テンニース
- Ferdinand Tönnies
- 1855年7月26日 – 1936年4月9日
- ドイツの社会学者
- 共同体における「ゲマインシャフト」と「ゲゼルシャフト」の社会進化論を提唱した
共同体と企業
- 地域や血縁で出来たコミュニティ。市町村。共同体。ウェットな関係。
- 機能するための役割分担があるコミュニティ。企業。社会。ドライな関係。
- 近代化すると共同体は社会へと変化する。
日本企業はハイブリッド
日本の企業は共同体としての性質を兼ね備えています。
- 日本の企業は共同体の一種。年功序列、終身雇用、労働組合。会社のイベント。村落共同体の性質を企業が受け継いでいった。
- アメリカの企業は真の意味での企業で、日本もやがてこれに近づく。
村、企業、SNSへ
- 旧来の日本企業はより高い競争力を要求される。
- 日本企業はよりドライな関係性の集団になっていく。
- ウェットな共同体の要素は今後、企業からどこに受けづがれるのか。
- 核家族化からの少子化、家庭はその受け皿足りえない。
- 新たにウェットな関係性を育むコミュニティが台頭すると予想される。
- それはSNSかもしれない。
18 解凍、混乱、再凍結
![](https://iwantout.blog/wp-content/uploads/2024/10/image-6.png)
クルト・レヴィン
- Kurt Zadek Lewin
- 1890年9月9日 – 1947年2月12日
- ドイツ出身の心理学者
- 専門は社会心理学、産業・組織心理学、応用心理学。
- ドイツ領だったポーゼン州モギルノ(ポーランド語版)出身でユダヤ系。
- 「ツァイガルニク効果」の研究
- 「境界人」の概念の提唱で知られる。
変化、3つの段階
第一段階は解凍
- 変化の必要性を自覚する。
- 従来のやり方を終わらせる。
- 人は自分の中に確率されたものの味方を保持しようとする。
- 組織の変化のためには変化への抵抗を克服する必要があります。
第二段階は混乱。
- 以前のやり方が良かった
- 不満が出てる
- 変化への肯定と否定で混乱する。
第三段階は再凍結。
- 変化が定着
- それが当然のようになる。
組織の改革が挫折する理由
キャパシティが不足する
- 変化できないのは、従来のあり様から脱却できないから。
- 始めるのが難しいのではない。
- 従来の慣れ親しんだものを終わらせるのが難しい。
終わりの重要性
組織の改革には従来のものを終わらせることが必要です。終わらせ方を考えずに始め方を考えても不毛です。
時代の変化も同じ
- Japan as No.1 のバブルの時代を終わらせていない日本人。
- 未だに過去の栄光をいただいて、いつか帰り咲くことを信じている。
- 過去の時代を終わらせていないために、新しい時代を始めることだできずにいる。
個人のキャリアの場合
ウィリアム・ブリッジス(アメリカ)
- 終わる、今まで続いていたことが。
- 宙ぶらりん、混乱、呆然。
- 始める、新しい何かを。
19 カリスマ
![](https://iwantout.blog/wp-content/uploads/2024/10/image-7.jpg)
マックス・ヴェーバー
- マクスィミーリアン・カール・エーミル・ヴェーバー
- Maximilian Carl Emil Weber
- 1864年4月21日 – 1920年6月14日
- マックスはマクスィミーリアンの省略形。
- ドイツの社会学者、政治学者、経済史・経済学者(新歴史学派)
- 弟は社会学者のアルフレート・ヴェーバー
- 社会学黎明期のオーギュスト・コントやハーバート・スペンサーに続く、第二世代の社会学者としてエミール・デュルケーム、ゲオルグ・ジンメルなどと並んで称される。
疎外
- のけものにすること。「新参者を—する」
- ≒非人間化、機械化、物質化。
人間がみずから作り出した事物や社会関係・思想などが、逆に人間を支配するような疎遠な力として現出すること。また、その中での、人間が本来あるべき自己の本質を喪失した非人間的状態。
ピラミッド構造
- 「宗教は上部構造であって、下部構造である経済に規定される」
- 人間の内面から人間の社会的行為を理解しようとする「理解社会学」
歴史は解釈
- 歴史は仮説的
- 歴史の法則は詐欺
支配、システム化
- 生産手段の労働者からの分離は、あらゆる近代的社会秩序一般にある
- 人間の疎外の原因は、「全能」の官僚制的支配構造
- 官僚制は、「死んだ機械と手を結んで」「未来の隷従の容器をつくり出す働き」
政治官僚と民間経済
- 社会主義でも、労働者の収奪は克服されない
- 生産手段の国有化はむしろ疎外を悪化させ、人間に対する人間の支配が除去されることはない
- 社会主義による生産手段の社会化によって変わるのは、経済の中枢を握る階級の組み立てにとどまり、階級闘争を終わらせるものではない
- 現在の資本主義では、国家官僚とカルテル・銀行・大企業の経済官僚が別々の団体として並列している
- 政治権力によって経済権力を抑えることができる
- 社会主義のもとでは、この二つの官僚層がひとつの団体を形成するため統制は不可能になる
- 1917年にヴェーバーは、社会主義政権による国営化された経営管理は官僚制に陥ると批判した。
理想の資本主義体制
- 経済的にも社会的にも自由競争を最大限可能にするような体制を主張
- 高度の社会的移動を伴う拡張的資本主義体制を理想
- 経済成長と社会的移動が、労働者の地位向上を極大化する
- 経済における最高の形式的合理性は交換経済において発揮する
3つの支配
- 支配を正当化する三つの基礎に、伝統的支配、法による支配、人格的カリスマによる支配がある
- 人格的カリスマは、革命政治と親和性がある。宗教に起源。
選挙と独裁
- 経済と国家の官僚制化が融合して「官僚による独裁」
- 直接民主主義は小さな共同体でしか成立しない
- 「人民の意思」といった概念はフィクションである
- 投票による市民の政治参加、そして得票を求めた闘争によって、政治的リーダシップの質が高まると考えた。
- 自律的で責任を果たせる人格を賞賛
- 中産階級に対して闘争を通じて自己決定できるように
心情倫理と責任倫理
- 心情倫理は、行為の結果に無責任で、自分が信じる価値に従って行為する。
- 責任倫理は、行為の結果や適切な手段を考量して行為の結果に責任を負う。
- 急進的平和主義者やユートピア社会主義者における心情倫理は、自分の意図の純粋さに最大の関心があり、善から善が生まれ、悪から悪が生まれるという信念に固執する。
- 自分の意図が純粋である限り、いかなる結果責任も受けいれず、彼らは善い意図から悪い結果が生まれると、世界や他者の愚かさや神に責任があるとみなしてきた。
- 責任倫理においては、政治家が自分の行為の結果の説明を引き受け、政治における諸力がもたらす倫理的危険を受け入れ、妥協を行う。ただし、政治を天職としうる人間を作り出すうえでは、責任倫理と信条倫理は相互補完的であるともした
支配の正当化、3つの方法
伝統
うさんくさい。
- 昔からある
- 守ってきた
- 神聖である
英雄
そんな人まずいない。
- すごい
- 正しい
- 良い人
- 信じている
公正
飽き飽きする。
- 公の規則
- 民主的な制度
人工的カリスマ
カリスマによる支配が望ましいが、カリスマはほとんど存在しません。だからカリスマに近い存在を自分たちで作り出すことが支配体制を作るうえでベストだと言えます。
20 他者の顔
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エマニュエル・レヴィナス
- Emmanuel Lévinas
- 1906年1月12日 – 1995年12月25日
- 第二次世界大戦後のヨーロッパを代表する、フランスの哲学者
- ロシア帝国、現リトアニア、カウナス出身のユダヤ人。
- 「他者論」の代表的人物
- エトムント・フッサールやマルティン・ハイデッガーの現象学を出発点とし
- ユダヤ思想を背景にした独自の倫理学
- 息子は作曲家及びピアニストのミカエル・レヴィナス。
33 パラノとスキゾ
ヤバそうだと思ったら、さっさと逃げる。
- リスト
アイデンティティに固執する
パラノとは、アイデンティティに固執する人のことです。学歴や立場、肩書きなど、他人からの評価を軸に考えて行動する人でもあります。
自分を整え、他者からの理解を欲しがる
アイデンティティとは容易に変えられない思考の軸です。アイデンティティにこだわるということは、自分が周囲に合わせるのではなく、周囲を自分のアイデンティティに合わせようとすることです。周囲の人から見ると、アイデンティティにこだわる人は、一貫性のある分かりやすい人になります。その意味では、アイデンティティにこだわるということは、周囲から容易に理解されたい気持ちが強いということになるでしょう。
変身できる人
スキゾとはアイデンティティに捕らわれない人のことです。美意識や直感に従って、自分自身のあり様を自由に変化させる人がスキゾです。
身軽で、逃げる。
スキゾの特徴は身軽であることです。危険を察知すればすぐ逃げるので、1か所に踏みとどまるつもりが最初からありません。これは環境の変化に強いというか、対応できるということでしょう。
飽きたら、次へ
スキゾはこだわりが小さいので、何かに飽きてもすぐ次へと行動を切り替えてしまいます。この道何十年というようなうたい文句には興味がないタイプでしょう。
現代社会のアイデンティティ
変化が加速していく現代の社会において、個人が何かに固執するというこは大きな危険をはらんでいます。
ピンチとチャンス
これからの時代を生き抜いていくのに必要なのは、変化に伴って発生するピンチとチャンスを察知するセンスと、根拠なく対応する行動を起こせるカンです。
34 格差
みな同じであろうとするほど、差別や格差が問題になる。
公平とは
妬み
人は、自分に近い立場の他人を妬みます。逆に、自分と別世界にいるような人を妬んだりはしません。
身分制度の有る世界
身分制度は世界を区切るので、身分の違いそのもの不公平感を抱くことはあっても、個人に対して妬みを抱くことは少ないと思われます。妬みの標的は個人ではなく制度の在り方になります。
身分制度の無い世界
身分制度の無い世界は建前上、公平な世界です。しかし立場の上下関係は存在し、その関係は必ずしも公平に決められたものではありません。例えば仕事のできる能力に大差がなくとも立場に大きな格差があることはよくあることで、そういった場合に人は妬みを抱かずにはいられないでしょう。
関係の深さがストレスに
関係が深いほど、同じ不和でもより大きなストレスになります。上手くやっていく必要があるほどに、小さな不和が許せなくなっていきます。
同質、公平、妬み
同じようであり、公平であるという建前があり、それでいてそこに格差があるとき、人は妬みを抱きます。
平等意識と不公平感
平等意識が強いほど、小さな不平等が人を傷つけます。逆に平等意識のかけらもないところでは不平等は認知すらされません。皮肉なことに、不平等という突起物を鋭くとがらせるのは平等意識の強さです。
50 ソマティック・マーカー
人は脳だけでなく身体でも考えている。
頭だけで考えていない
人は意思決定をするにあたり、ロジックだけを使っているのではありません。記憶とそれに紐づいている感覚や感情が、意思決定に大きな影響を与えています。逆に言えば、ロジックだけでは意思決定は難しく、感覚や感情の下支えに頼るところが少なからずあります。
人を動かす3要素
論理、倫理、情熱
人は理屈が正しいからと言ってすぐに言うことを聞くわけではありません。理解できるということ自体もハードルは低くないことが多いですが、仮に理解を得られたとしてもそれは人を動かすための第一関門を突破したにすぎません。
論理だけで
正しい主張を組み立てるだけでも一苦労なので、一部の隙もない論理をもしも完成させることができたれば、嬉々としてそれを動かしたい相手にぶつけたくなるでしょう。しかしそれでも人は動かないことがあります。正しい論理、納得できる理屈を披露されてもすぐ人が動かれるとは限りません。
倫理も
人にぶつける主張には、論理はもちろん倫理も必要です。倫理とは、言い換えると善であり道徳にかなうということです。つまりそれは広い意味で良いことであると同時に人としてなすべきことであると思えることが、主張には必要なのです。
情熱で
感情とストレートに言い換えても良いでしょう。喜怒哀楽を用いて論理や倫理を主張することで、人を動かす可能性は大きく高まるはずです。
一本の木のごとく
以上の3要素をあえて一本の樹木の構造に例えると、幹と根と枝葉、と言えます。人に何を主張する時は、自分の主張が聞き手にとって樹木のように成り立っているかを考えると良いでしょう。
無知の知、はウソ
ただの屁理屈
知らないことを知っている、と考えることが無知の知だとしたら、わかりませんと答えることが無知の知ということになります。それのどこが素晴らしいことだというのでしょうか。おそらく無知の知を信奉する人は、知らないと自覚することが学び始めることへのスタートラインである、と言いたいのかもしれません。しかし仮に知らないであろう人に知らないことを伝えたら、学び始めるのでしょうか。興味を持つかもしれませんが、持たないかもしれませんし、どちらにしても学び始めるかどうかとは別問題でしょう。
それよりも知の知
自分が知っていることをより正確に理解するほうが現実的です。学びが発展する可能性が他の分野に比べてはるかに高いでしょうし、逆に他の分野へ興味が飛び火する可能性もあるからです。最も残念なのは、その知をなぜもっと掘り下げないのか、というところでしょう。
飛び火する興味
だから無知の知、に納得がいきません。「私は、知らないことを知っています。」って、それで知らないことを学び始めると言うのなら、全ての人が全ての分野を学び始めるじゃないですか。むしろ、知の知、とでも言うか、知ってることをもっと深く知ろうとすれば、その興味が他分野に飛び火するかもしれません。
それを言う資格
一つの分野を高いレベルで修めた人にこそ、無知の知をいう表現を自分に対して使う権利があるように思います。ある分野で高いレベルに達すると、勝手に他の分野においても同じようなレベルになれるだろうと考えがちだと想像します。その根拠は、一つの分野を修めた人のほとんどが、自分が分かっているというスタンスで言動し、他の分野の高くないレベルの人を軽んじる傾向があるように感じられるからです。
優秀な子供を産むには
時間を確保する
学習にせよ運動にせよ、子供のパフォーマンスには習熟に掛けた時間が大きく影響します。もしも同レベルの才能を持つ子供を多く集めた上で同じ指導を施したら、そのパフォーマンスは習熟に掛けた時間にこそ左右されるでしょう。
日本の学校は4月に始まる
4月生まれの子供が10月の運動会で徒競走を走るとします。さらに、同じレースで競う他の子供が全員10月生まれだとしたら、4月生まれの子供は半年分のアドバンテージを持っていることになります。このアドバンテージは学年が低いほど大きく影響します。
5月に出産
結論として5月の出産を狙うべきでしょう。前後しても4月から6月に生まれることになり、総じて有利なタイミングで生まれることができます。運動だけでなく知能的な学習についてもいくらかはアドバンテージを得ることができるでしょう。
機会配分は偏る
運動にしても学習にしても、教育する側からすればできる子に手間暇かけたいところです。結果が求められる場合にはなおのことで、そこに機会の配分が偏る背景があります。できる子はよりできるようになり、できない子はそのまま放置される、ということにつながります。
恨みの元は
許せないのは
恨みの根っこにあるのは公平さ。恨みゴトを言う時はたいてい、不公平さに言及します。世の中は公平でなくてはならないという思いが強いほど、恨みが強くなる傾向があります。しかし万人に対して公平さが実現されるとは思えません。偽物の公平さに恨みが募るのでしょう。
報酬とモチベーション
給料が最低
労働に対して対価や賃金が事前に決定されている場合、労働者のモチベーションが最低になります。給料が決まっているなら働かないことが最良の選択になるからです。
公平の恐怖
公平であることは一種の幻想です。どんなに公平さを意識してルールを作っても、どこかには必ずアンバランスが生じるものです。公平は目指すべきものかもしれませんが、求めるべきモノではないでしょう。なぜなら公平を求める時に公平が感じられないと、人間は耐えがたいほどのストレスを感じるからです。
不公平から復讐へ
不公平、言い換えれば不当な処遇を受けたと感じる人は、少なからず心にしこりを残すでしょう。場合によっては恨みを募らせ、復讐を実行するかもしれません。世の中や自分の身の回りのシステムが、自分に対して公平に機能すると思い込んでいると、いざそうではないと感じた時に大変なストレスになってしまいます。
悪魔の代弁者
同じ選択であるように見えても、その品質が全く違う場合があります。一つの選択が、あらゆる批判を受けてもなお消えなかった選択であれば最高の選択である可能性が高く、逆にすべての批判を回避してしまった選択は最低の選択である可能性が高いでしょう。
危機的状況での意志決定
高品質な議論の環境
- 一定以上のレベルの参加者を募る
- 可能な限り幅広い分野の専門家を集める
- 上下関係を無し、忖度しない
- 最高権力者は議論に参加しない。
- 悪魔の代弁者を、中立に立てる。
- 意見を複数出し、複数の支持グループを作る
- 各意見をまとめては発表しあい、批判し合う
- 各意見をブラッシュアップ
- 発表と批判、改善を期限内で繰り返す。
- 最高権力者が、最終的に全責任を負って意見を一つ選ぶ。
悪の回路
頼む時の条件は
誰かに悪いコトを実行させるなら、以下の条件を満たせばよいと言えます。
- 実行者が無責任でいられる
- 実行者に害が及ばないと安心できる
- 実行者が悪事を行ったと他人から思われない
- 万一実行者が他者から責められても、容易に責任転嫁できる
- 実行者が受け取る報酬が大きすぎず、不安にならない
- 実行者が受け取る報酬が小さすぎず、興味を持てる
- 容易に実行できる
- どうしても必要なことだと強く頼まれる
- 頼む側に権威があるように思える
考えを変えさせる方法
反〇〇主義を覆す
その手順とは
- 反〇〇主義者である人に、〇〇主義の極一面的に肯定できる部分について文章を書いてもらう
- 酒、たばこといったわずかな褒賞を与える
- 上記を日数をかけて繰り返す
これだけで、反〇〇主義者は〇〇主義を否定しなくなります。なぜでしょうか。
変えられないもの
わずかな譲歩
発言と行動は変えることはできません。特に実行した証拠を残されてしまうと事実として保存されて変えることはできなくなります。わずかな譲歩だとしても、それは変えられない事実になりうるのです。
ささいな報酬
敵対するものから報酬を受けたという事実も変えることはできません。どんなに些細な報酬、褒賞であっても一度受け取ってしまえば自分の行動を敵に評価してもらえてうれしい、という意思表示をしたことになります。些細であっても敵から施しを受けると敵を敵とし続けることはできなくなります。
謎のモヤモヤ
認知的不協和
敵から施しを受けた。頭の中がモヤモヤすることになりますが、それこそが認知的不協和です。この認知的不協和はこの場合は良心の呵責とも呼ばれ、どうにかしないと息苦しいほどのストレスが持続してしまいます。このストレスから逃れる方法を、人間はどうしても探してしまいます。モヤモヤを抱えたまま生きて行こうとは、フツウ決断できるものではありません。
変えられるもの
自分の思考
自分の思考、とくに何かに対する解釈は容易に変更できます。敵視していたものを敵視しないことにする、嫌いだったものを嫌わないことにするといった認知の変更は、それなりの理由がある場合に限り容認できます。頭の中のモヤモヤは、それなりの理由として十分です。
ブレる理由
自分の理想から少しだけズレた言動を行うと、言動は事実として固定されてしまうためズレた理想に対してモヤモヤの発生原因となります。理想は頭の中の抽象物なので、変更は容易です。モヤモヤの苦しみに耐えかねた時、人は理想を曲げてしまいます。理想がはかないのはこのためです。
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